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レビューコメント

• エロは概ね3段階に分かれており、調教パート、異種姦+獣人出産パート、陥落+悪堕ち孕み嫁パートと区分できる。無垢そのもののキャラクター性を持った本作変身正義ヒロインは、その小さな身体に合わぬ快楽凌辱に屈してゆくため、背徳と堕ちの妙味を楽しむことが出来る。 さて、調教パートでは、何も知らない事をいいことにマッサージと称して身体中をまさぐり、快楽の感覚を教え込む。ヒロインは、その感覚を「くすぐったい」と表現するくらいに無知である。しかし、開発の成功により、「してくれないの?」と自分からねだるくらいに病みつきとなる。 異種姦パートでは打って変わって激しい凌辱が待っており、極悪ピストン、ボテ腹、そして出産と使い潰される。怪人の仔とはいえ、自ら産んだ子を「可愛い」と言うところなど、愛らしさそのままに堕ちている。 悪堕ちパートでは、首領自らが相手する。敵に対し形ばかりの抵抗しか出来ず、従順であり、恋人つなぎまでして行為にいそしむ。そんなだらしなくなってしまった彼女に、敵は悪堕ちの誘いをかける。そこでの描写も凝っており、「仕上げ」として優れている。
  
• 率直に言えば、小綺麗な絵柄ではない(どころか全体的にはラフのような仕上がりだ)し、装飾やその他の凝りようは現在売れ線の同人誌のようなものではない。 個人的に星5は内容や絵の美麗さのみならずそういった装丁の部分も含まれると思うが故、その基準で言ってしまえば本来は星5に値する作品ではないのかもしれない。 しかし、この作品からは熱を感じる。 136ページという大ボリュームは、差分によるものではない。 そもそも、悪堕ちというものは本来進むべき道でなかったものが現前する「邪道」である。 近年、悪堕ちジャンルは、一時のプチブームを経て、悪堕ちにさまざまな要素を見出すようになった。 ある者は快楽を、ある者は異常性を、ある者は異形を、ある者は拘束を、ある者は尊厳の破壊を、ある者は価値観の破壊を。 これらの風潮は悪堕ちというジャンルにおいて必要な多様性を得るための過程であったと思う一方、元始我々が影響された特撮やゲームに必ずや存在した"正道"は最小限に留められるようになりつつあると感じる。 これは仕方がないことではある。悪堕ちという嗜好を楽しむ上で過度なtrue endの提示は異物感や罪悪感に繋がる。 あるいは単純にそれに対して割く労力が需要や堕ちの演出効果に見合っていない。 そういったものはお約束として最初の1ページに設定として示されていれば想像で補うに充分なものでもある。 しかし、この作品は堅固なまでの"それ"がある。 このご時世にあえて"正道"を意識させることが、蛇足にも見えるパートが、この作品を燦然と輝かせている。 粗いながらも、その文量が物語を支えている。必ずしも量はパワーではない、にも関わらずこの作品に至っては勇者の振るう大剣のような重さを持って我々の悪堕ちの原点、そのコアを貫かんとする。 必ず、最後まで読んでほしい。この作品には、主人公の物語と、ほんのすこしのニチアサの青臭さと、悪の残酷さが横たわっている。